給湯器のお湯がぬるい原因一覧と自分でできる対策まとめ

給湯器のお湯がぬるい原因一覧と自分でできる対策まとめ

給湯器の「お湯がぬるい」という故障は非常に多く、特に「シャワーがぬるい」とか「お風呂がぬるい」という症状が散見されます。そしてこれらの症状の場合、ユーザーが対処できることも少なくありません。

このページではお湯がぬるい症状が出ている時に考えられる原因をまとめてみました。エラー番号や対処法、注意事項もまとめてあるので、お湯がぬるい症状に悩まされている方はぜひ参考にしてください。

前半で給湯がぬるい場合、後半でお風呂がぬるい場合について解説しています。目的の項目があれば目次から飛ぶと便利です。

目次

給湯(蛇口やシャワーからのお湯)がぬるい場合

水栓、蛇口

給湯がぬるい場合に確認すべきチェック項目

  • エラーが出ていないか
  • どの程度のぬるさなのか、誤差の範疇ではないのか
  • お湯がぬるい箇所は限定的か、すべての蛇口で一緒か
  • シャワーのサーモスタットの設定温度を上げてみる(サーモ付き水栓の場合)
  • 各蛇口の水を止めてみる(レバー水栓の場合)

蛇口から出るお湯がぬるい場合、上記の5点を確認してみてください。特にエラーが出ている場合は給湯機本体に何らかの原因が出ている可能性が高いので、取扱説明書にてエラー番号を確認した後でメーカーに修理依頼することをおすすめします。

給湯器の温度は正確にならないケースがある

  • 給湯器と出湯する蛇口の距離が遠い場合(特に寒い場合に影響を受ける)
  • 経年劣化によって燃焼能力が低下している場合

給湯器の温度は正確に出湯されないケースがあります。特に寒冷地の冬場で給湯器の設定温度と実際の出湯温度に±1℃程度の誤差があるという場合は、製品の仕様上でどうしようもできない場合が多いです。これは給湯器が新品の状態でもそうなってしまうことがあります。

給湯器の出湯温度で±1℃程度の誤差は問題ないのですが、ここに経年劣化が加わることで徐々に差が開いてくることが予想されるでしょう。そして±5℃以上の温度差が生じている場合は、温度調整の部品が故障しかかっている可能性があります。

また、±1℃程度の誤差の話になってくるとユーザーによっては勘違いの可能性も出てきます。5℃以上の差が感じられて明らかにぬるいという場合でなく、微妙な場合は実際に温度を測定してみて異常が確認できてから次のステップへと進んでください。

お湯がぬるいと感じるのはすべての蛇口で同様か

たまに聞くのは「キッチンのお湯はぬるくないのにシャワーがぬるい」というように、悪い症状が出ている蛇口が限定されるというものです。この場合、体感的なものなのか実測値なのかによって大きく変わってきます。

シャワーは全身で浴びるため、手しかお湯に触れないキッチンの蛇口に比べると温度の変化に対して敏感になることが多く、外気温の兼ね合いで勘違いしてしまうケースが少なくありません。前項でも触れたように「給湯器の設定温度に対して±1℃程度の誤差は許容範囲」なので、この±1℃の差はシャワーだと大きな差に感じてしまうこともあるでしょう。

すべての蛇口で同じ症状が見られないのであれば、その箇所でのみ悪い症状が出ているということになり、給湯器本体には異常がないことが多いです。すべての蛇口で同じ症状が出るのであれば、給湯器本体が怪しくなってきます。

シャワーのサーモスタットの設定温度を上げてみる

温度調節ハンドルの回し方
温度調節ハンドルの回し方

シャワーのサーモスタットは簡単な構造になっていて、その温度調整は大まかなものになっています。例えば「給湯器で45℃設定、シャワーで42℃設定」という使い方をしている場合、42℃で出湯されない原因は給湯器にあるとは限りません。

そこでシャワーのサーモスタットを限界まで高くしてみたらどうなるかを確認してください。多くの場合でHと書かれている温度に設定することになるかと思います。当然ながらここで出湯されるのは、限界まで熱いお湯ではなく給湯器で設定している温度です。

ここで正常なお湯が出るようならサーモスタットの不具合が考えられます。給湯器メーカーがNORITZかつ使用しているシャワー水栓もNORITZ製なら問題ありませんが、シャワー水栓の故障はシャワー水栓のメーカーにお問い合わせください。

シャワーや各蛇口に搭載されている温度調整ハンドルは、そこまで精度が高くないケースがほとんどです。蛇口やシャワーの温度不具合を感じたら、水を混ぜないような状況にして「給湯器のお湯をそのまま出湯したらどうなるか」を確認してみてください。

各蛇口の水を止めてみる

ハンドルタイプの蛇口ではなく、レバータイプの蛇口の場合は「給湯配管に水が入り込んでいる(逆流している)」可能性があります。難しい話になってくるので理屈は割愛しますが、この場合だと症状もより複雑です。

まずぬるい時とぬるくない時が出たりします。そして症状にもムラが生じたり、蛇口の箇所によって症状もまちまちになることが多いです。「シャワーは明らかにぬるくて洗面所もぬるい、でもキッチンはかなりマシ」というように同一の症状にならないことがあります。

この場合はすべての蛇口で水を止めてみるのが有効です。蛇口をお湯側に倒すという意味ではなく、蛇口で水を出そうとしても何も出てこないような状況にするという意味です。これをすることで水が逆流していた場合は、ぬるい症状が改善します。

お風呂(追い炊きやお湯張り)がぬるい場合

お風呂、浴槽
  • エラーが出ていないか
  • 循環アダプターに汚れや詰まりはないか、しっかり装着されているか
  • 入浴剤を使用していないか
  • 浴槽内のお湯に温度ムラがある
  • お湯張りのお湯がぬるいのは異常ではない

お風呂のお湯がぬるい場合、上記の4点を確認してみてください。特にエラーが出ている場合は給湯機本体に何らかの原因が出ている可能性が高いので、取扱説明書にてエラー番号を確認した後でメーカーに修理依頼することをおすすめします。

循環アダプターに汚れや詰まりはないか

循環アダプター(浴槽内のフィルター)に汚れや詰まりがあると、給湯器と浴槽の間でお湯がうまく循環できないことがあります。この場合、給湯器で温められたお湯がフィルターに邪魔されて浴槽に入っていけず、そのまま給湯器に戻ってしまうので注意が必要です。

給湯器では循環させながら浴槽内のお湯の温度を計っているのですが、温めたお湯がそのまま戻ってしまうとお風呂が沸いたと錯覚してしまうため、このような症状が起こります。フィルターに汚れがあるならそれを取り除き、しっかりと装着してから試してみてください。

場合によってはE632が表示されることもあり(ノーリツ、リンナイ共通のエラー)、循環アダプターの掃除で直らなければメーカーによる点検・修理が必要です。

入浴剤を使用していないか

入浴剤の中には「風呂釜を傷めるイオウは入っておりません」と記述されている商品も少なくありませんが、給湯器に悪影響を及ぼすのはイオウ成分だけではありません。特に乳白色系の入浴剤は、給湯器の中に入り込むと沈殿・固着してしまう可能性があります。

これによって追い炊きができなくなってしまったり、浴槽内の温度を正確に計測できなくなってしまうことが考えられます。入浴剤(特に使用することで浴槽が滑りやすくなったり透明でないもの)を使用する際は、なるべく使用後はすぐに配管クリーニングを行ったり、追い炊き機能を使わないなどの工夫が必要です。

浴槽内のお湯に温度ムラがある

浴槽内のお湯で「上は熱いのに下は冷たい」という場合、上手く循環できていない可能性が高いです。給湯器に問題がある場合は循環ポンプの不具合などが考えられますが、浴槽に取り付けられている循環アダプターが悪さをしているケースが少なくありません。

特に「今使用している給湯器が2台目(または3台目)で、循環アダプターを交換したことがない」という場合は、循環アダプターの不具合も並行して考える必要があります。

お湯張りのお湯がぬるいのは異常ではない

たまに「42℃設定にしているのに循環口から出てくるお湯がぬるい」とか「循環口から出てくるお湯が出たり止まったりを繰り返す」と不安に感じてしまうユーザーがいます。これらは給湯器の故障ではないことが多いです。

循環口から出てくるお湯は設定温度よりも低い温度で注湯し、設定湯量が貯まってから設定温度に沸かし上げるという仕組みになっています。また、浴槽の排水栓がしっかりされているかどうかの確認のため、何度もお湯が出たり止まったりするのも仕様です。

症状が改善しない場合は直ちにメーカーへ

温度調整不具合の中には今回ご紹介したような、実際は給湯器の故障じゃないものが少なくありません。ただし給湯器に問題がある場合は、経年劣化や故障の前兆として症状が出ている可能性があるので注意が必要です。

特にお風呂がぬるいという症状で、給湯器内部にゴミが詰まっている状況であれば早期発見によって分解掃除だけで済むことがあります。症状が進行してしまうと部品交換が必要になって修理費用も膨らんでしまうため、気になることがあればメーカーに点検してもらうといいでしょう。

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この記事を書いた人

工務店を経営しています。1972年に創業し、1995年に株式会社「舘岡工務店」を設立しました。最新の図面作図コンピューターを導入し、尚一層のお客様へのサービス向上に社員一同、一生懸命に努めて参る所存でございます。

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